皆変わったね。







今の皆は好きじゃないよ。
















―――――――――・・・私も変わったね。











キラ













膝上に纏わりつくスカートを蹴りながら階段を駆け上がる昼休み。

手にはいつもの紅茶のパックと頼まれ物のコーヒー缶。そしてアリキタリ屋上。

いかにもお決まりって感じだけど、夏の名残の残る湿気を多く含んだ風を心地よい

モノとして受け取るには屋上くらいしか無い。重い扉を開けた。




太陽に目はくらむけど、すぐに見つけられるのよ。




見つけ、られたのよ。あの頃は。







柵の近くに駆け寄る。周りには何組も輪が出来ていたけど、一際ガラが悪い、気がする。

「はい、コーヒー。」

「悪かったな。・・・またそれだけかよ、ナミ。」

青い缶をゾロに渡しながらスカートを直すようにコンクリートに座る。

「別にいいじゃない。ゾロがお腹減るわけでもなし。」

ゾロが気にかけていたのは黄色いパッケージの紅茶のパック。今日もこれ1杯で昼を過ご

そうという私の予定に不満があるらしい。

「けど、あんまおれも賛成できねェぜ?ナミさん。いくらなんでも毎日は・・・」

「大丈夫だって言ってるじゃない。家ではちゃんと食べてるんだから!」

「じゃあおれが今度作りにいくよ、夕飯。ナミさん家に。」

「冗談。手は足りてるわ。」

パックを開けてストローを差し込む。

内心では心配してるんだろうけど、私を気遣ってかしつこくは絡まない。解ってくれてる。

「それから・・・いい加減「さん」付けはどうかと思うんだけど?」

ストローを咥えながら金髪頭に指差した。

「いいでしょう?おれにとってはナミさんは永遠に『ナミさん』なんだから。」

3年前の出会いからずっと「ナミさん」、だ。同い年なのに、変なの。

ゾロはとっくに呼び捨てだというのに。・・・まあ、いつも下手に出る態度で接して

くるサンジ君が今更強気に出るとも思えないし、そんなのが彼の性分なのだと

思っていた。

「ナミ、次現国の教科書貸してくれ。」

「また?でも私、持ってないわよ、今日。」

「マジかよ・・・」

「言っとくけど、おれは死んでも貸さねェからな。」

「こっちも死んでも頼まねェよ」

本当に仲が悪いなら、こうまでして毎日一緒にお昼食べるかしら。

紅茶を吸いながらぼんやりと思う。心の中で笑いながら。




「・・・ちょっと冷えてきたんじゃない。」

肩を一度震わせる。もう9月も終わり。雲の量も減ってきたようだった。

青空が遠ざかる。

「これかけなよ。」

「いいわよ。サンジ君、冷えるじゃない。」

「ナミさんスカートだろ。おれは別に寒くねェし」

「でも・・・」

その光景をゾロが頬杖をついて眺める。

隣に居るのに、遠巻きに見つめるような眼をして。

(へーェ・・・・)


























お前らから最初に手を離したのは




おれかもしれない。












許してくれ。
















本当に、好きだったんだ。














NEXT



はい、大好物学園パラレル連載の再スタートです。(・・・)

ロビンちゃんを出すのは無理だとしても(女子高生にするわけにはいかなかったのよ・・)、

誰かもう1人加えて4人の話にするつもりでした。でも入れるべき女の子が思いつかな

かったので初挑戦のサナゾ。無事書き上げられるかしら・・・



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