壊れそうだったから、手を離したんだよ。
離れる他、無かった。
キラキラ 2
ナミに頼んだコーヒーを飲む。無糖じゃない。苦いコーヒーは、苦手だ。
「おれ、行くぜ。」
「私、どうしようかな・・・」
「ナミさん次は?」
「数学。」
「好きだろ、数学。」
「うーん、でも、いいや。サボっちゃう。」
チャイムが響き渡り、教室に戻る連中で屋上がざわめく。
立ち上がったおれの、眉が少し動いた。不快感を示した時の、クセ。
「お前は。」
こんなんじゃ、アイツに縋るみたいでカッコワリィじゃねェか。御免だ、ほんとは。
「残ってよ、サンジ君。1人じゃつまんないじゃない。」
―――何の為に高校来てんだよお前らは。
「うーん、そうだなァ。ナミさんに頼まれちゃ仕方無い。」
―――苛々するんだよ、そういうトコが。
「・・・じゃあな。おれは行くぜ。」
背を向けて2人から離れた。
眉間の皺に気付かれないよう、早足で。
「・・・ナミさん。何か変じゃねェか、アイツ。」
「そう?」
今度はサンジが眉間を寄せた。何かを不審に思う時の、クセ。
ナミさんは、気付かない?
気付いてたのはおれだけじゃないだろう?
おれたちの、心の揺れ。
早いうちに、救っておきたかった。
救っておけば、良かったんだ。
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1話1話は短めに行こうと。毎回視点が変わって慌しいですが、
ついてきて頂ければ光栄です。m(−−)mちなみに次はサンジパート。
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