その先は言わないで
聞かなくてもわかる
イチゴ、セブンスター 8
ロビンはサンジが入学したと同時に教員になった。
少しながら大学で心理学もかじっていた彼女はカウンセラーとしての役割も果たし、
就任1年目にして多くの生徒から絶大な支持を受けた。
保健室は当然禁煙。
学校自体、教員の喫煙場所は職員室と印刷室に限られていた。
煙草を差し出した彼女は「保健室で吸っちゃダメよ」と優しく言い残し、部屋を出
た。サンジは使いかけの箱を眺め、ゆっくりと1本取り出した。
ナミの前で大きく煙を吐く。
今までこんなに煙草が短くなるまで一緒に居たことは無く、このままいくと指を火傷
しそうだ。ナミは少し不安の色を見せた。
サンジは数分前から黙ったまま。
短い煙草をいつまでも咥え続けるのは、最後の1本だからだろうか。
それとも―――――
「煙草はまあまあだったけど、やっぱりマルボロの方が好きだった。
でも半箱終わるまで吸い続けたよ。 ――頼まれたんだ。吸い切って欲しいって。」
理由は簡単だった。
付き合っていた男、の吸っていた煙草。とうに吹っ切れていたが、どうにもその箱だ
けが捨てられずにいた。自分は煙草を吸わない為、やり場に困っていたのだ。
(未成年に、生徒に頼まねェだろう、普通。)
最後の1本を吸っている最中にぼんやりと思う。
しかし、それすらどうでもよくなった。まだ慣れない味と、匂いと、自分をとりまく煙に
包まれていると、何故だか妙に落ち着いた。それは、ロビンの醸し出す雰囲気にも関
係があるのではないだろうか。
校舎内で吸うわけにもいかず、かくまってくれるロビンの居る保健室も禁煙。いつしか
保健室の窓の下が定位置となり、普段無意識に感じるストレスを癒す場所となっていた。
サンジは次も、セブンスターを買った。
NEXT
9/26
なんつーか、サンナミっていうよりニコサン?(爆)
平行線。まだかかりそうです。
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||