質問の箱は


一度開くと溢れてしまうもの。





ゴ、セブンスター 




ホームルームが終わって暫く経っていたが、ナミはいっこうに教科書を

片付けようとはしない。先程から頬杖をついて見ているのは隣の席。

ナミに負けず、劣らず。の、無愛想。ナミの方がまだ、まし。


それでも意外な程真面目なやつで、教科書の類は毎日持ち帰っている。

ナミは殆ど持ってきてすらいない、教科書。

真面目に持ってくれば結構嵩張る。真面目な男、ゾロ。


剣道部員。


そのゾロの大きな手ですら詰め込むのに時間のかかる膨大な量の教科書。


「ねえ」

「あ?」

ゾロが手を止める。

「ちょっと訊きたいんだけど、“サンジ”って名前のひと、知らない?」

「知らねェ。」


余りに即答だったので、少々拍子抜けする。

「真面目に言ってる?学年わかんないんだけど、もの凄い金髪の」

「知らねェ。」

同じ答えを返さなくたって、いいじゃない。


ナミが溜息をついている間に「じゃあな」と言って部活へ行ってしまった。

(真面目なやつ。)

部活をやっていれば、人間関係の世界も広いかと思ったけれど。

自分で確かめるしかない。













3度目の、保健室。










今まで来たときは居なかった保健の先生が居てドキリとする。

・・・まあ本来、居て当然、なのだけれど。

「あら、どうしたの?」

白衣の先生は机の上を整理しながらこちらを振り向いた。


知らない顔だった。



「あー・・・っと、頭痛で。」

とっさの理由に、苦笑い。

「あら。私これから出張なんだけど、良くなるまで休んでる?」

「はい!そうします。」


少し喜んだように聞こえてしまったかもしれない、と後悔した。

あとのまつり。


先生が部屋を出て行くのを見計らって窓の下を覗いた。



人影は、ない。






代わりにあった



煙草の吸殻。








いつもより多いのは



悩み事が多い所為?













片付けないと怒られちゃうよ。



煙草の吸殻。



セブンスター。





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9/24
ゾロについては「あとがき」で、また。
ありがちな剣道部員設定。



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