理由を、


おしえて。


教えないで。






ゴ、セブンスター 







良く良く考えて見れば、その男の名前すら聞いたことなかった。別に必要も無い。

そんなことを思っていたら2度も聞き逃してしまった。


金髪男とは校舎も違って、保健室以外で出くわすことも無かったが、なんとなく同じ

学年のような気がした。女子のリボンは学年で別れているけれど、男子の学年は

上履きの色とクラス章しかなくて、革靴にクラス章なんてつけていそうに無い制服

からは何年生かなんて分からない。かくいうナミも、リボンはつけていなかったけ

れど。



用事も無いし、特に会う理由も無い。



ぼんやり金色の髪と青い眼を思い出していたら、一週間が経っていた。






「課題のプリント、出しとけよ。」

帰り際、すれ違い様に担任にそう告げられた。


(そういえば出してないかも。)


やっていない訳じゃない。只、出すのが面倒臭かっただけ。

教室に戻って机に鞄を置き、プリントを探す。大して荷物の入っていない鞄の中から

プリントを探すのは容易で、それを職員室まで持っていこうと踵を返したとき。








名前も知らない


見覚えのある顔の男が。




ドアの近くにだらしなく立っていた。








「へェ、2−Fだったの。」


流石に校舎内では煙草を咥えていない。斜めかけの鞄を背負(しょ)って、

偉そうにクラス表札を見ている。


スカした男。


「何しに来たのよ。校舎が違うでしょう。」






何故だか分からない。


妙にイラついて







出しに行くつもりだったプリントを乱暴に鞄に仕舞った。

折角やった課題が、ぐしゃぐしゃ。










「訊きたいんだろ。

   おれがマルボロを吸わない理由。」











訊きたい訳無いじゃない。



アンタの昔話なんて。





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連載モノはサクっと読みたいところ。
でも登場人物を増やしたいと思ったりもしてる今日この頃。


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