消しゴムで消すより、







上から色を重ねて。















ゴ、セブンスター 13








サンジは口を押さえたまま


信じられないモノを口に入れたかのように黙っていた。





瞳孔が



逃げて行くように、瞳の奥の何かを隠すかのように

急速に狭まって行くのが見えた。








ナミは黙って左手の煙草を吸い続けた。


罪滅ぼし、にはならないだろう。自分が考えた、自分だけ

への罰。脳が綺麗な酸素を求めているのを感じて、此れ

が充分な罰だと思った。

サンジの思い出を熔(と)かすこと。善かれと思ってやった

ことでも、サンジには重い枷でしかなかったかもしれない。
















1年分を、思い出させる味。




















せめて終わるまでは、


黙っていようと思っていた、のに。








「今日はチョコレート持ってないの。」



「はあ?持ってる、けど・・・」

別にシリアスな雰囲気に酔っていた訳じゃない。それでも、

あまりにも唐突なことを言われてナミは気が抜けた。

「頂戴。」

「今、食べる気?」

「あァ」といつものヘラヘラ顔に戻って頷く。

本当に何なのだろう、この男は。

「味混ざって最悪になるわよ。」

「いいんだよ。オレンジとチョコ、って組み合わせがあるんだ

からレモンでも大丈夫だろ。」

ナミはポケットから取り出したチョコを手渡しながら呆れ顔に

なる。

「それとは別物でしょう。不味くっても知らないんだから。」

「不味いくらいのほうが、気ィ紛れんだろ。」


















(あ。)









ナミは俯いた。

サンジはおどけて見せているけれど、心には深い傷

がじわじわと疼いているに違いないのだ。






「あァ、違うよ。そんなんじゃない。

一生レモンキャンディーを食えなくなるなんて御免だか

ら、な。いっそ馬鹿馬鹿しい味にして一生忘れられない

ようにしてやろうと思って、サ。

キミが気にするようなことじゃないから。」




































口に広がるレモンの味が、














苦い思い出だけにならないよう。








































キミと作った思い出で、笑い飛ばせるよう。














































口の中に広がる























レモンと、





























イチゴと、































セブンスター。




















































勝つのは、



































イチゴの味。















FIN.





10/3
お疲れ様でした。

興味のある方は「あとがき」、をどうぞ。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送